REPORT!

会場の照明が落ち、観客たちのざわつきが一瞬にして静まった・・・・・・。
ロバート・ダンパーの弾くピアノが、アルペジオ風のイントロを奏でだした・・・・・。

「ついに始まる・・・ステージのどこかに彼がいる。右から?、それとも左から出てくるのだろうか?。いったい、どんな曲から始めるのか・・・・・?」

そう思っていた私の想像をあっさりと打ち砕くようにして、彼は登場した!

「えっ?!」・・・・・いきなり、観客席の後方から登場!

1曲目は、Homeです!。

R&Bフィーリングあふれる、ソウルフルなアルトサックス!

それにしてもあのハイトーンには、良く知っているにも関わらず、
ソプラノサックスか?
と疑いたくなるほど、かん高く澄んでいました!。 1階中央の通路を軸に歩きながらの演奏!。思いも寄らぬ登場のしかたに、観客たちは一気に盛り上がってしまいました。武道館では、中央にお立ち台まで用意してあって、その上で演奏しました。
それにしても、ライブアルバムで何度も聴いていましたが・・・・・、
いや〜・・・生の「Home」は、ライブアルバムの10倍アドリブプレーが多彩で、背すじが寒くなるほどでしたよ。

「Home」を演奏後、同じ場所でスタッフよりソプラノサックスを受け取り、イントロ演奏開始!
聞き覚えのあるピアノのアルペジオが場内に響くと、それを聞いて曲目を察した観客から、拍手が起こりました。

そうです・・・・・Silhouetteです!
ファンのみんなはよく知っています。 この曲では、あのロングトーンが聞けるということをネ。
スローテンポで、テーマの演奏が進み、 いよいよ・・・・・

約5分間に渡り、ロングトーンの音を途切れさせることもなく、通路を歩いたりサックスを振って、手拍子を導いたりしていました。循環呼吸奏法を知らない人達は、さぞや驚いたでしょうね。 知っていても、ライブCDでしかロングトーンを聴いてなかった人達は、その長さにびっくりでしょう!。

3曲目は、Sadeです!
ファンキーなドラムと、ベースのリズム。 ライブアルバムと聞き比べると、よりファンキーさが増したようで、非常に力強さを感じました。”ブブ”(ブルース・カーターのニックネーム)のドラムのスネアとバスドラムの導きだすジャズ・ファンク独特のオフビートが最高です!!!

「Sade」の派手なリズムから一転・・・・・エレクトリック・ピアノの静かな伴奏。 この曲ほど、気持ちを切なくさせる曲がかつてあっただろうか・・・・。

Sentimental
ステージの照明が、バックに垂らされた白い布地に、赤や紫の光を踊らせる・・・・。

彼のライブは演奏だけでなく、こうした照明などにも非常に気を使っているのがよく判ります。 そのほかの曲でも、花柄や輪の形がKennyを中心にしてくるくる回ったり・・・・・。
いろんな形で観客たちを魅了する、それはそれは素晴しいものです。そんな照明効果のなかでこの曲聞いていると、

真っ赤に燃え、沈みゆく夕日のなかで・・・・・、

          たたずんでいる自分ひとり

        だんだん切ない気持ちになって・・・・

と、まあこんな感じでしょうか・・・・・、なんちゃって(^^;
まさに、センチメンタル!

「Sentimental」が終わると、ここでKennyの挨拶です。とても上手な日本語での挨拶でしたよ。 前回も、挨拶は日本語でしたが、随分うまくなりましたね〜!。

「ツギノキョクハ・・・・・The Momentカラ・・・Havanaデ〜ス!」

という、彼の紹介とともに拍手喝采!。 Havanaです!。 この曲は、5月5日の「ニュースステーション」で演奏しましたね。
彼の曲の中では、今までになかったフィーリングの曲です。ラテンのリズム(ルンバ調)が実に流れるようで、聴く者たちの心をそそります。 ここでは、曲のエンディングと共に、パーカッションのアドリブに移行しました。それがまた、アクロバティックで・・・・・・・。
Ron Powell(ロン・パウエル)最高です!
東京では、ステージの前方へ出る際、自分のパーカッション・セットを飛び越しました。 その時、少し床に顔を打ったらしく、しばらくうずくまっていたかと思うと、ステージにむかって怒っていたのがお茶目でしたね。それにしても、黒人のリズム感にはいつもながら感嘆させられます。

ロバート・ダンパーのピアノの脇から、Kenny登場!

6曲目は、G.Bopです!。
曲の途中の部分を、イントロのモチーフとして、テーマへと展開!前回もこの曲は演奏されたが、今回はCDとはかなりアレンジが変っていて、サックスを吹く自分にとっては、興味深く聴くことができました。(今度、自分が演奏するときには、このイントロのやり方、まねしてみよ〜とっ!)

7曲目は、Forever In Love!
やはり、何といってもこの曲ではないでしょうか。ここ数年のKennyのスタイルをよく表わしていますね〜。
”グラミー賞最優秀インストールメンタル作曲賞”を受賞した名曲です。
これまた、アレンジやアドリブが新しくなっており、ライブでしか聴くことの出来ない雰囲気でしたね。この曲みたいにCDでエンディングが、フェードアウトして終わっている曲は、ライブだとしっかりとしたエンディングのアレンジが聴くことが出来て、私のように自分でもサックスを吹くものにとっては、コピーするのにとても参考になります・・・といっても、簡単には真似出来ないけどね。

ここで メンバー紹介がありました。
今回の「The Moment ツアー」のメンバーは・・・・・、

KENNY G:Soprano Sax, Alto Sax, Tenor Sax
Tom Barney:Bass Guiter
Bruce Carter:Drums
Robert Damper:Keyboards
Ron Powell:Percussion
John Raymond:Guiter
でした!。 新顔は、Tom Barney(トム・バーニー)だけですね。あとは前回と同じでした。でも、John Raymond(ジョン・レイモンド)って、長髪を切ってしまったんですね!。Kennyが紹介するまで、違うメンバーだと思ってました。

日本語でのメンバー紹介でしたが、その日本語が本当に日本人的な発音で、みんなの笑いを誘ってました。
東京では、

「ブドウカンデ・・・エンソウスルノガ、ワタシノユメデシタ!」

という、彼の挨拶が今も強く印象に残っています。
スピーチの途中で時々言葉に詰まったりすると、
Kennyは前の方の列のお客さんに向かって、

"Do you speak Japanese?"

とか、

"You can translate for me"

などとジョークを言ってました!。

さて・・・・・、
ステージにスタッフが登場して、模様換えです。それとともに、

「ココデ、モウヒトリノ、トモダチヲ、ショウカイシマス!」

と言って、 Kennyは照明、ステージ、ミキサーなどの、自分をサポートしてくれているスタッフを全員紹介しました。こういうことって、Kennyならではのことですね。彼が、スタッフたちをいかに大事にしているかを、伺い知ることが出来るひとときでした。

そして・・・Sister Rose
メンバーが、ステージのフロントに集まって、アンプラグドでの演奏を展開しました。 ドラムスの”ブブ”は、”スネアとハイハットだけ”です!。前回と同様の演奏でした。しかし興味深かったのは、テーマが終わってからの、アドリブですね。それは、まるで自分が
「路地裏のジャズクラブへ、タイムスリップしてしまったのではないか?」
と、思わされるような光景でした。
なんと・・・”4ビート”ではありませんか!。スウィングしてましたね〜!。6人での、掛け合いによるアドリブです。2小節ぐらいずつ、それぞれにアドリブを振ってましたね。 ジャズでよくやる、”2バース、4バース”みたいでした。
その中で、ベースギターが日本民謡のフレーズをつかったり、Kennyは、クラシックのフレーズを吹いてました。
(新幹線の中で、気がついたのですが、到着駅のアナウンスで流れているクラシックの曲ですね。ひょっとしたら、会場の移動中にKennyも新幹線に乗って聴いたのでしょうか?。同じフレーズを、ニュースステーションでも吹きましたよね!・・・・・この楽曲、なんていうんだっけ?)

「Sister Rose」の終わりとともに、”ブブ”こと、ブルース・カーターが、ドラムスティックとハイハットのみを持って、ステージ中央でアドリブを展開です。ハイハットだけのアドリブなんて、はじめて聴きましたよ。いやー、それが実に見事でした。人並みはずれた黒人独特のリズム感!

まっ、参りましたm(_ _)m

それにしても、Kennyのあのソプラノのアドリブフレーズは、いったいどこから出てくるのだろうか?。実にジャジーで、モーダルでした。

ブブが、自分のアドリブソロの終わりと共に、ゼスチャーで観客たちの手拍子を促しました。
そうです。いよいよ、ライブ最高潮に達する時が来たのです!。スラップベースと、ブブのドラムが力強くリズムを刻みはじめ・・・・・。
どこからか、テナーサックスのテーマが聞こえてきました。

Joy Of Lifeです!。
CDでは、ソプラノサックスでやってますが、ライブではこの曲を、Kennyはテナーサックスでやるのが定番になっているのです。名古屋では、「Joy Of Life」のイントロテーマが聞こえたかと思うと、なんと、Kennyは5階席の後方から現われたではありませんか!。これにはお客さんは、おお喜びです。名古屋ではこのあと、5階席から1階席まで歩きながら演奏してくれたのでした。
(会場の都合なのか、武道館は、1階のアリーナ席だけでした。残念!。名古屋のお客さんは、ラッキーでしたね!・・・・・。)

「Joy Of Life」の終了と共に、ケニーをはじめ、バンドのメンバーがステージの縁で、肩を組んでお辞儀です。
観客の拍手の中、一旦終了です

当然の如く、観客たちはアンコールを求める歓声と拍手の嵐!。
一息ついて、Kennyがメンバーと共に再登場です。

ドラムとピアノが鳴り出した。

「んっ?・・・聞き覚えのある伴奏とイントロ!」
そうだ!・・・ライブビデオにも入っている、Against Docter's Ordersです!
この曲は個人的には、ピアノのテンション・コードを多く使ったリズム感ある演奏が、とっても好きなのです!。それにファンキーなドラムのビートが効いていて、こちらの気持ちを乗りのりにさせてくれます。まんま、ライブビデオの映像を見ているみたいで、最高でした。

アンコール2曲目・・・・・
ここで、ツアーの名前にもなっているThe Momentです!。
JALのコマーシャルで聞き覚えのあるテーマが、CDより若干早めのテンポでスムーズに会場に響き渡ります。やっぱりいいな〜。シンプルなメロディーが会場の雰囲気にマッチして気持ちよかったです。

曲がおわり・・・・・ 「あれっ、もう終わっちゃうの?」・・・。
「そんな〜・・・・・ソングバードは、どうなったんだろう?」

他のお客さんも、その辺はやっぱりよく知ってますね!
再び、アンコールを求める拍手と、歓声の嵐です!!!

2回目のアンコール・・・
Kennyが、ソプラノサックスを片手に再び登場です!
あのまま終わるはずはないと思いながらも、ちょっぴり心配していたのですよ!
(というのは、去年のアメリカ国内でのライブでは、「ソングバード」をやらなかったこともあったようですので・・・・・。)

ソングバードのテーマをモチーフにして、Kennyのソロでのアドリブプレーを始めました!。時折、ジャズ風(ビ・バップ風)のフレーズを用いたり、得意の”サーキュラ・ブリージング(循環呼吸)”でスケール(モード)的なアドリブを繰り広げましたね! そうこうしているあいだに、バンドのメンバーも再びスタンバイOK!

ラストはSongbirdです!。
きっと、Kenny自身も、彼のたくさんある曲の中で一番思い入れがあるに違いないですからね。現夫人リンディーさんのために書き下ろし、そしてこの曲によって大ヒットを飛ばし、現在のKENNY Gがあるのですから・・・・・。
それにしても、前回のジャパンツアーとは、ずいぶんアレンジが変ってますね。途中では、レゲーとも、ファンクとも聞こえるリズムに突然移りかわったりして、とても興味深い「ソングバード」であったと思います。

「あ〜っ、よかった〜!!!」

久しぶりにそんな気持ちになった、名古屋と東京でのひとときでした。少し気が早いかもしれませんが、次の来日が楽しみでしかたがありません。Kennyは今ごろ、またどこかでライブをしていることでしょう。彼のファンは世界中にいるのです。


Dear Kenny !

私たちにくれた感動を、どうぞ世界中の人達にもプレゼントしてあげてくださいネ!。そしていつの日か、また私たちをソプラノサックスのスウィートなメロディーで、感動させてください。まだ終わったばかりですが、今からその日が来るのを楽しみですよ・・・・・。

Dear Kenny:

Thank you so very much for the greatest show in Japan. The MOMENT concert was truly the best we have ever heard. We'll never forget the very beautiful,wonderful,and the finest inspired "MOMENT" we shared with you during the show!! You/your music are indeed the inspiration for all of us and we thank you so much for always giving the beauty to our lives. We wish you successful THE MOMENT World Tour and are very much looking forward to seeing you again in the near future!

(May 10, 1997)


■1997ジャパン・ツアー・演奏曲目■

1. Home
2. Silhouette
3. Sade
4. Sentimental
5. Havana
6. G.Bop
7. Forever In Love
8. Sister Rose
9. Joy Of Life
10. Against Docter's Orders
11. The Moment
12. Songbird


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